ハートロック2010 第三報 「黒いおみやげ」

指示を受けた部下が黒い直方体を住民たちに配り始めた。
隊長は「これは日本のヨウカンです。我々と日本の友好の証です。」とヨウカンを食べて見せた。
住民たちも恐る恐るヨウカンを口へ運ぶ。
「あまい!」「うまい!」と殺気立っていた住民たちに笑顔が広がった。
ヨウカンに満足したのか住民たちは引き返して行った。
ヨウカンは銃より強し。

しかし、ヨウカンがもたらした平和は一時のものだった。
「このヨウカンはヤマザキのヨウカンでねぇか!貴国では“とらや”のヨウカンが最高級と聞いている!我々を愚弄することは許されない!」と先ほどの数倍の数の住民が押し寄せてきた。
すでに空に向けて発砲している者もいる。
もはや戦闘は避けられなかった。
PMCが展開し戦闘の隊形を取り、自衛隊も所定の配置についたが銃は「ア・タ・レ」の「ア」(安全装置)のままであった。
市ヶ谷との無線はつながったものの事務次官はトイレに、大臣は地元のお祭に、首相はゴルフにとそれぞれ大変なご多忙で連絡が取れない。
最悪である。

私は自身の身の安全を確保すべく車両の裏に身を隠した。

続く

次回はグラビア特集「写真でつづる ハートロック2010」です。
断じて文章を書くのがめんどくさくなったわけではありません。